今日2014年6月2日、ターブル・ロンド(直訳「丸いテーブル」)という面白いコンセプトの場にて、料理シェフ本「コレ賞」のディナーに参加した。

ターブル・ロンドは、16人座れるカウンターだけのレストラン。日本だったら、さして珍しくもないが、フランス料理でこの客数はまずあり得ない。また、お客さんの目の前で調理ができるように、IHプレート、流し台、冷蔵庫など、設備は整っている。東京だったら、銀座のちょっと現代的な天ぷら屋みたいだ。

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小林圭シェフ、待機してます!

「丸いテーブル」の第一目的は、地方や外国のシェフ―つまりパリにレストランを設けていないシェフ―が一食だけ、選ばれたお客に料理を食べてもらう場を提供することだ。食器など、完備。

また、今晩のように、プライベートイベントに貸し切ることもできるが、そう広くもないスペースに、オープンキッチンがあるので、ファッションショーが子供の誕生会に使える場所ではない。文字通り、テーブル、食卓なのだ。食以外の催し物はない。

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ナプキンの上に、次の挑戦者の名前が並ぶ。6月30日が南仏のドニ・フェティソン、9月23日は茸の本を出した三つ星シェフ、レジス・マルコン、10月20日はパリで数軒店を持つブルノ・デゥセ。

今晩はシャンパン・コレが貸し切り、小林圭さんが作った。コレ賞は、10人の審査員が本と料理と雰囲気を評価する。私はKEI本の著者として参加すべきか迷ったが、圭さんのPRの人が絶対来いというし、自宅から歩ける距離の、なかなかトレンディーな界隈にあるので、久しぶりに暖かいパリの夕方、散歩がてら出かけてみた。

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嬉しいことに、KEI本は好評です。

なになに、迷うこともなかった。「コレ賞」のディナーのコンセプトは、シェフと著者が本の紹介をすることから始まるのだ。他のメンバーは、シャンパン・コレのソムリエさん、営業部長、マーケティング部長の三人をはじめ、大手出版社のアートディレクター、食のブロガー、カメラマン、料理書専門書店のオーナー、料理雑誌の編集長など。私を入れて16人だった。16人の内、10人の審査員に本が配られ、食べながら料理とシャンパンのマリアージュ、本のグラフィズム、製本などを採点する。なぜか著者の私まで採点表をもらったが、理解に苦しんだので何も書き込まずに返してしまった。

シャンパン・コレは、フランス最古のシャンパン協会らしいが、「コレ」に名称を変え、高級シャンパンとして売り出したのは去年から。新しいシャンパンではないが、新しいブランド?と私は理解した。そのプロモーションの一環が「コレ賞」。料理シェフ本を評価するコンクールだが、今年でたったの2年目。

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何回も厨房で見てきたから、特に珍しくはないが、やはり日本人とはいえ、フランス料理シェフが手の届く距離で料理をするのは新鮮だ。

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アミューズは一本釣りスズキのタルタル、さくらんぼのコンディマン、リュバーブとフレッシュアーモンド。酸味がきりっと、アーモンドと魚の歯ごたえを活かす。

シャンパンはCollet Blanc de Blancs コレ、ブラン・デ・ブランだった。

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アントレは圭さんシグニチ料理の野菜とスモークサーモン、オリーブソース。レストランと違い、ボールで出てきた。あ、この方が、平たいお皿よりも、まぜこぜにできて、私は好きだ。

こちらはCollet Art Déco コレ・アール・デコ、若干ダサい名前のシャンパンと。

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赤ワインとフォアグラのリゾット、パルメザンのクレーム。私はこの料理が大好きだ。ワイン煮はやっぱり、おいしいな。

こちらもCollet Art Déco コレ・アール・デコと。

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ラングスティーヌ、ココナッツミルクのスープ、オマルディーヌ。レモングラスやコリアンダー、タイの爽やかな香りがする・・・。

今度は、Collet Blanc de Blancs コレ・ブラン・ド・ブランに戻る。

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圭さん直々のサービスは渋いね。こういう時は、黒髪のオヤジじゃないほうが、いいんだわ。金髪、利いてます!

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ピジョンの「みそ焼き」、小大根、野生クレソン。日本人が作ると、必ず「和的」と言われるが、これは確かに日本を演じるな料理だ。今や国際調味料になった味噌ではなく、大根の辛味と野生クレソンの辛味の使い方が、日本の、大根で口をさっぱりさせる習慣に根拠があると思う。

ピジョンの調理加減が抜群なのは言うまでもない。一昔前だったらあり得ない、かなりロゼな、イマの焼き方だ。

シャンパンとのアッコールは難しいだろうな・・・Collet Millésimé 2004 コレ・ミレジメ2004年。

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普段レストランで30席弱で厨房スタッフ7人くらいいるのに、今晩はお客18人に、圭さんとスーシェフのパオロ君、そして助手が一人だけ。かなり緊迫しています。

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デザートは赤いフルーツのバシュランだ。中のアイスクリームに「味噌を少し使ってます」と圭さんの説明を聞いて納得した。味噌の味は目立たないが、不思議なうまみは、そう、ミソね。

先日イチゴをいただいた。今日はフランボワーズ。私は断然フランボワーズ版が好き。中のクレームに、軽く乾燥したような、甘みがほとんどないフランボワーズの破片が埋もれている。レーズンチョコのレーズンのように、クリーミーで、舌にまとわりつく甘みに包まれた干しフルーツの独特な食感がおいしくデザート全体を引き締める。

おしゃれなデッセールは大好評。

シャンパンはCollet Rosé コレのロゼ。

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最後はもちろんフォトの時間。ターブル・ロンドの専属カメラマンが、シャンパン・コレのロゴを背に、本を持つ圭さんを撮影する。

最初は皆さん、お行儀よく、フランス人にしては静かに食べていたが、食事の終わりが近づく今は、ガヤガヤだ。

あ、そうそう。シャンパン・コレのペアリングについて、一言。コレ賞なので、各料理にシャンパン・コレを合わせるのも一つの目的。ブラン・ド・ブランはよかったし、スズキのタルタルの酸味と甘みと合わなくはなかった。私はラングスティーヌとは合わないと思ったが、お隣さんのワインに詳しそうなブロガーは、悪くないマリアージュだと言っていたので、良いのかも。

コレ・アール・デコとのペアリングは、野菜のボールはまあまあだったが、赤ワインのリゾットとはあまり好みではなかった。しかし、最悪なのが、ピジョン。ピジョンをシャンパンに合わせるなら、フランス語でヴィヌーという、発酵の香りが強いものが良いはずだが、このミレジメは2004年でも、まだまだクセが足りなかった。もっと性格の濃い、中年の女のように熟成した色気を秘めたシャンパンじゃないと、味噌味のピジョンにはまったく対抗できない。

そして、一般的にロゼのシャンパンはあまり高レベルとされていないが、やはりこのロゼも色がきれいなだけで終わってしまった。

コレ賞の結果は11月に発表され、もし優勝したら、シャンパン地方のアイ市にある、シャンパン・コレ本部に招待されるみたいです。

PS ターブル・ロンドは、プライベートディナーでなければ、普通にネットで予約できるらしい。以下ホームページです。地方のシェフに興味はあるが、行くのが面倒な方にはお薦めかも。星にこだわるなら、1,2,3星と、一通りそろうようですが、18席はあっという間に埋まってしまう。

http://www.tableronde.com/

シャンパン・コレのホームページ。

http://www.champagne-collet.com/