去年行ったメルスリー・ミュロに、今日の昼、戻りました。でも、今日は、この店を紹介してくれ、そしてここの長年の常連さんのPatrick Cadourと行ったので、メニューにない代物が一つ登場。

P1000258

アミューズは、バターたっぷり、エシャロットがしっかり利いている、クートー。細めのクートーは、昔風にバター浸しで、これをパンに吸わせて食べるのがまたおいしい。パンを5個も食べてしまった!先が食べられるかしら?

P1000264

オードブルは牡蠣一人6個、二人のプラトーで12個の並ぶ。前回いただいたUtah Beach。レモンが添えてあったが、何も無しが一番うまい。ここはワインヴィネガーとエシャロットなんて「邪道」はない。海の塩っ辛さと牡蠣特有のきりっとした香り。鮮度はもちろん抜群だ。この牡蠣なら、あと6個食べてもいいなぁ。

ここのワインはもっぱらキャンシ―(Quincy)。さっぱり爽やか、軽い白。

P1000268

あいだに入ったのがメニューにない、ホタテのカルパッチョにウニを乗せたもの。日本の鮨屋が見たら飛び上がるような雑な切り方だが、この荒っぽさがかえっていいのだ。これが変に丁寧になると、味まで変わってしまうような気がする。元三つ星のローランジェさんの海藻入りフルール・ド・セル(塩の表面に浮く一番細かく香り高い塩)を横においてくれたが、こういう純度の高いものに合せると、逆に高級な海藻入り塩がちゃちく感じてしまう。
これでもこの店にしたら現代風に「シャレ」たつもりの「料理」だろう。

ウニは、南ブルターニュ産。日本の、味も香りも柔らかいそれとは段違い。こちらは「脂」が少なく、ヨードが多く、海の味がきつい。でも味は非常に濃厚だ。おいしいぞ!

今日のアルドワーズ(黒板に書いたメニュー)には魚料理が多かった。うれしい!何年ぶりだろう、レー・オー・カープル?エイをバターとケッパーで煮たというのか、焼いたというのか、すごく簡単に料理をした、ビストロ料理の定番。だが、最近のパリのビストロはやたらと「ビストロミー」に走り、こういう「普通」のものがなくなりがちだ。お店のオヤジは、「エイの端っこじゃなくて、一番分厚い部分だよ」と。

P1000273

いいね!この率直さ。職業柄、普段から「おしゃれ」な料理を食べることが多いだけに、こういうフランス料理が身に染みる。調理加減は完璧とは言えない、紙一重火が入りすぎかな。旨みで言えば、日本の「平たい魚」の煮ものにはかなわない。しかし、この独特な食感とケッパー、そして欠かせないバターの組み合わせは、フランスビストロ料理の傑作のひとつと思う。

う~ん、パンとバターの写真を撮り忘れたが、どちらもうまくて食べ過ぎた。デザートを入れる余地がなくなり、仕方なく最後はお茶で終了。

ところで、この昼食を提供してくればパリ在住ブルトン人、超グルメのPatrick Cadour は、ボルディエのバターは昔はおいしかったが、今はまったくダメになったと言う。最近流行の、なんとかいうブルターニュのバターも、まずくて話にならん、と。おいしいのは、なぜかノール・パ・ド・カレ地方(Nord-Pas-de-Calais、都市で言えばカレー、ブーローニュ・スュール・メール、ル・テゥーケなど)産の「オ・ボン・ブール」(文字通り=おいしいバター)だと。あ、でも、実はもう日本に輸入されているかもね。

Mercerie Mullot
19 Rue Bréa 75006 Paris
Tel. 01 43 26 08 06

Mercerie Mullot

インターネットにあった写真。著者不明。