ルカカルトンのことは長い記事を書いたばかりなので(フランス語だが)、11月6日のすばらしい食事は独り占めにしようか迷ったが、あまりにもすごかったのでやはりここで語ろう。

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マドレーヌ。レモンとパルメザン。

以前より丸っこく軽い。「ア・ラ・ミニュット」で焼かれ、ふっくらと温かく、ほっとする。

一口で元気をくれる。

でも、私がここで一番好きなのは、マドレーヌではないのだ。

 

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ラングスティーヌ、ブリオッシュ、スダチとラングスティーヌの殻のクリーム。

超うまい。ラングスティーヌは生の薄いスライスでカルパッチョ風。

<ブリオッシュ>というわけだが、私にはチュイルに見える。なんと軽いことか。気をつけて取らないと粉々になってしまう。

大きなスプーンで全部を掬くおう。この<アイスクリーム>を取るにはそれしかない。

甘みと酸味と旨みと、ちょっとねっとりと舌に絡む生のラングスティーヌ。量が少なすぎる可憐なアントレ。

 

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トピナンブール、ノワゼット、白トリュフ、オゼイユ。

白トリュフの香りはもちろん、食感の遊びが楽しい一品だ。カリカリっと微かに甘いノワゼット、爽やかな緑の香のオゼイユ。ジャガイモっぽいけれど、より素朴で土に近いトピナンブール。フランスの秋の香り、満喫。

 

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焦がしたカリフラワー、カリフラワーとパルメザン、焼きカリフラワーとシトロン。

このカリフラワーは若きシェフジュリアン・デュマのシグニチャーになるだろうな。カリフラワーなんて色気も何もないはずなのに、これは見事。長時間じっくり熱いバターをかけて焦がしたカリフラワー、二つのコンディマンはカリフラワーとパルメザン、そしてグリルしたカリフラワーとシトロン。

おいしい・・・焼いて、バターをたっぷり塗った、田舎パンのトーストを思い出す。バターは溶けて、トーストに染み込んでいる。田舎パンのトーストだからかなり香ばしい。噛むと、「ジュ」。バターがパンからちょっと絞り出されるような感じを受ける。同時に、パンはバターの丸みを吸い込んで、柔らかくなっている。。。でもカリフラワー。

想像できますか、このおいしさ?無理でしょうね・・。

 

焦がしたカリフラワー、カリフラワーとパルメザン、焼きカリフラワーとシトロン。どこから見ても飽きない。

焦がしたカリフラワー、カリフラワーとパルメザン、焼きカリフラワーとシトロン。どこから見ても飽きない。

香ばしいが香りも味も食感も柔らかい。考えてみると、ちょっと複雑な野菜の味のカリフラワーは苦味もある。土臭さもある。右と左のコンディマンは、中央のカリフラワーと香のハーモニーを奏でながら、脂、塩、シトロンの実と緑の新芽とともにカリフラワーのあらゆる宇宙を成している。

 

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ヤリイカ、セップ、熟成ラードのジュ。

快感!クリーミーな良質なショコラ・ショー(温かいカカオ)のようだ。スパイスのきいたソースと生のヤリイカの食感は結合し、舌と口蓋を包み込んでくれる。セップは秋の風と湿った土の匂いを運んでいる。森の散歩、つまり霧雨の匂いだ。

 

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ホタテ貝、フツ・ブラック、<キャシーの台湾胡椒>

フツ・ブラックは日本のカボチャの一種らしい。青椒かと思った実は、味がまったく違った。とっても生き生きした、爽やかなフレッシュな香りは、柑橘系なのか、ハーブ系なのか、香辛料系なのか、よく分からない。<キャシーの胡椒>は私が勝手につけた名で、キャシー・ホウが台湾から持ってきてくれたから。キャシーちゃん、ありがとう!

 

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黄ワインのリ・ド・ヴォ、マッシュルームと燻したクルミ、焼きニンニク。

特上のでっかいリ・ド・ヴォを前にするのは久しぶり!うれしい!私は、フランス料理の「アバ」(内臓、耳、足、鼻等)の中でも一番繊細なリ・ド・ヴォーが大好きなのだ。火入れは完璧。外側はカリカリ、中はしっとり柔らかく。

 

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青首鴨、サルシフィ、リンボウの実、リンボウの種のオイルと青首鴨のジュ。

白トリュフの季節でもあり、ジビエの季節でもある、秋。シェフは私の好きなジビエを見抜いていたのかしら?旨い・・。レアに焼いた滑らかな身、野生な脂と混ざり合った血の味・・・リンボウが柔らかくしてくれる。揚げたサルシフィは、ハリーポッターを、いやむしろ彼のホウキを思いおこさせる。その<ホウキの先>はこんがりと揚がったフライドポテトの香りがするし、<ホウキの芯>のほうは、柔らかく口の中でとける。

 

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リンゴ、シナモンと塩味のリ・オ・レ。

雪片とか、顕微鏡で見た雪の結晶みたいだ。リンゴはキャラメルとシナモンの香りによって<タタン風>。甘くとろけるリンゴは口蓋にくっつくようだ。おやつの時間まで余韻を残してくれるかもしれない。真ん中にライスプティング、全ての味を引き立てる美味しい塩とともに。

リ・オ・レはライスプディングだが、実は私が大嫌いなデザートの一つ。日本人だからかな、コメは砂糖でなく醤油だろう、と思う。しかし、これはなかなか美味だった。

 

Lucas Carton
9 Place de la Madeleine
75008 Paris
電話 +33 1 42 65 22 90

(訳:目黒純子)