日本酒 試飲会その②

さてさて、今度は、パリの、流行のネオ・ビストロ(と、日本で言われているらしい)「セプティーム」にきました。こちらはやはりパリだから、日本酒、と言ってもそう珍しがらない。でも、興味津々。やはり「興味はあるが、知識がない」というわけです。

こちらは、食べながらの試飲会でなく、ワイン業者が来た時に行うような、飲むだけ試飲会。もちろん、その前にランチを食べました。

 

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9月5日の昼食メニュー。前菜+メイン+デザートで28ユーロ。5品のお任せメニュー「カルトブランシュ」が55ユーロ。でも、実際出てきたものは、メニューに書いてあるものと違った。。。私だから?それともシェフの気まぐれ?

 

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アペリティフはノンアルコールのアンフュジョン。赤紫蘇ベースだったと思う。すごくあっさり、ナチュラル飲料。おいしい、というよりも、体内が清くなった感じがします。

 

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インゲン、赤桃、フェセル、カピュシーヌ。フェセルは、生チーズの一種。生チーズと言っても、チーズっぽさがまだ全然なく、ヨーグルトのもうちょっと「固形的」なもの。カピュシーヌは、最近よく料理で見る大きな緑色の葉っぱ。ちょっと酸っぱいような味がします。このサラダっぽい前菜、なかなか見事。さらっと質素。インゲンは、パリッ、パリッとくる歯ごたえ。甘味はあまりなく、フランス人が好きなタイプのインゲンだ。

フランス人が好むインゲンは、細い。細ければ細いほど良いらしい。だから、味が薄く、甘味がないものが多い。このインゲンも、甘味はないが、味はある。インゲンらしい「緑の味」。赤桃は、文字通り赤い桃。晩夏の種類だと思う。味は濃厚だが、甘味は少ない。大人の桃だ。ほのかな甘み、緑の香りと味、柔らかい酸味。とてもフレッシュな一品です。

 

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パンが運ばれた。誰かがかじったんじゃないの?と一見思わせる形。でも、おいしいパン!田舎っぽい、キメの洗い、麦の味がしっかり香ばしい。

 

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トマト、カジキマグロ、ミルティーユ。

もうちょっと脂が欲しいかな?マグロもさらっと。「さらっと」はここの特徴みたいだね。ミルティーユはブルーベリーです。結構皮が固くて、鈍い酸味が強い。トマトも甘味があまりなく、若干ソースにするには水っぽいかな?さらっとしたマグロ、甘味よりも「水」のトマト、鈍く酸っぱいブルーベリー・・・これは、シェフの計算なのか!だから、フレッシュな香りを強調するハーブを乗せて、一見脂と甘味を期待するお客の期待を裏切り、パリとは思えない晩夏の昼に、さっぱりさせるのですね。面白くなってきた。

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卵、ナス、アンチョビ。

卵は、パンタード(ホロホロ鳥)の卵らしい。鶏にしては確かに食感が薄く味が濃厚。下のナスは、西洋茄子、しっかりデカい。田楽・・・かな?謎だ。味噌じゃないような、味噌に似ている味がする。なんだろう?

あとで、シェフに聞いたら、アンチョビとカシュ―ナッツだと言われた。そうか、ピーナッツバター、すりゴマ・・・味噌にない、ドライフルールの脂肪分があったのだ。旨みはたっぷり。この一品、よく考えた!

 

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リユ・ジョーヌ、ラルド・ディ・コロナータ、ジャガイモのブイヨン

リユ・ジョーヌは大西洋で捕れる鱈の一種。ラルド・ディ・コロナータは、最近、アセゾンヌマンとして、よく出てきますね。うま味と塩味と脂肪を足してくれる、ほどよい調味料になるようだ。魚の火入れ加減は抜群だ。ラードとのバランスも、申し分なし。リュバルブが尖った酸味でワンポイント。クルジェット(ズッキーニ―)は甘い歯ごたえ。

 

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鳩、パンポルのココ、トウモロコシ

「パンポルのココ」は上質で有名な白い豆。しっとりというよりも、ドライ系で、噛んでも「じゅわり」でなく、「ボロボロ」と口に広がる。この田舎臭さがおいしい。鴨やガチョウの、脂分の高いシチューに合う。鳩は、かなりレアーだが、こちらも火入れ加減、抜群だ。トウモロコシは、どろっと濃厚な甘いソースに(写真の後ろの方)。そして食べるミニ・コーンは、縁日の焼きトウモロコシの香ばしさを想わせる。

 

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リュバルブ、イチジク、ショートブレッド、ハーブのアイスクリーム

なかなかおいしいデザートだ。こちらもさらっと系だが、このランチで一番濃厚かもしれない。

イチジクは熟れすぎず、歯ごたえがある。リュバルブはもちろん酸味。ハーブのアイスは、複雑な甘味。

 

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さてさて、昼食も終わり、試飲の時間です。右がシェフのベルトラン・グレボー。左は共同経営者、ソムリエのテオ・プリア。二人とも今の若い世代のシェフ・ソムリエらしく、カジュアルで、アプローチもい至って素朴。

今回は、Workshop Isseに酒を買いに行く時間がなかったので、自宅のカーブに数年前からあった酒2本と、前日、レストラン「ソラ」とパティスリー「シエル」のオーナーYoulinさんにわけてもらった酒2本。

 

持参した4本は:

・賀茂鶴醸造の大吟醸「賀茂鶴」

・神戸酒心館の純米吟醸「福寿」

・桝田酒造の「Masuizumi SP 2006」

・桝田酒造の「貴醸酒」

 

「セプティーム』にあった酒は:

・萬乗醸造の純米吟醸「アルティザン」

この5本を試飲した。

 

詳細は、「料理王国」の記事に出るはずです(ただ、書きすぎて、原稿がかなり削られる模様。「詳細」が残るか、分かりません)。シェフとソムリエの言葉。

賀茂鶴について:「時間とともに、丸みが出てきて、素朴な特徴が強調されたような気がします。素朴と言うより、“純粋”かな。性格の純度が高い、というのか。このお酒はやっぱり、我々フランス人が変な方向に引っ張らずに、純粋に、日本的に、まっすぐに、鮨や刺身に任せた方がいいのでは?僕たちが扱うには、日本のピュアーな美を反映しすぎて、僕たちが“汚染”してしまいそう。行ったことはないけれど、ぜひ行きたいです『鮨水谷』。そこのお酒か・・・さすが日本。憧れます。料理は、色の明るいものしか浮かびません…。白身の魚、蕪、ネギ、フェンネル、玉ねぎ、梨」

福寿について:「『福寿』もやっぱり生魚を想像しますね。でも、こちらの方が、香りが複雑だから、合わせやすいです。僕は生魚でメニューを始めるのが好きです。今日はマグロだった・・。さっぱりして、フレッシュでしょう。フランスでは、生魚はオリーブオイルとかレモンで香りづけることが多いけれど、僕はもっと素朴に、菜種油や、生野菜と、田舎っぽく、荒っぽく合わせるのが好きなのです。『福寿』は、そういうアントレと合うような気がする。特に菜種油は、キャベツを連想させる香りだし、穀物の香りもするでしょう。また、白い肉(仔牛、豚、鶏)・トウモロコシ・豆、の料理も合いそうです。今メニューに載せていますが、豚肉の料理、合うんじゃないかな」

Masuizumi SP 2006について:「この酒は、ミレジメなんですね。2006年か。色もゴールドですね。ブルゴーニュのワインの樽で熟成したらしいけれど・・・確かにその香りがする。圧倒的にトウモロコシ系ですね―。結構ドライだから、フォアグラと合うと思いますね。酒って、フレッシュで喉越しがいいから、口の中にくっつく、ねっとりしながらも、味がデリケートなフォアグラ、合うでしょう?『Masuizumi SP』、ボディービルディングを連想します。いや、変な発想だけど・・・完成度が高く、格好も良くて、でも、目立ちたがり?華やかで派手な酒ですね。僕たちのスタイルはもっと素朴、田舎っぽい感じかな?この酒は、パリの5つ星ホテルのレストラン向けだと思いますね」

貴醸酒について:「『貴醸酒』は、とっても洋梨の香りがします。思い切って、ごく少量、『貴醸酒』と、玉ねぎと洋梨の料理。それに、レモンタイムの花を一輪、小さく乗せる。フォアグラでも、いけるかも。とっても味をしっかりつけたフォアグラなら。でも、僕たちじゃなくて、もっと超高級店のイメージだな・・・ジョルジュサンクとか、家庭のクリスマスディナーとか。お祭り用、特別なとき?僕たちみたいなさっぱりタイプじゃないと思います。でも、ん~・・・開いてくると、ホっとするものも持っていますね・・。トーストしたブリオッシュとフォアグラでもいいですね。そういう、暖かい、馴染みのあるものを連想します」

アルティザンについて:「複雑性が魅力的、フルーツの香りが非常に強い。透明感がベルトランの料理を合います。ただ、開いてくると、ちょっと荒っぽい感じがするかな?繊細さというのか、デリカシーが、他の酒と比べると、薄いような印象を受けます」

Septime
80 rue de Charonne
75011 Paris
Tel: 01 43 67 38 29

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